思い出してしまった
今回はさきちゃんネタではなく、ひと昔前の話。
愛読しているボン乃セリ美様のブログを読んで、古い傷跡がチクチクしたので、気持ちを書いておこうかと。
http://bonseri.club/archives/28688685.html
2011年の春、私はゆみこちゃんを日比谷の地で見送った。
花組時代の「Naked City」(これは名作。今観ても面白い!未見の方はぜひ!小柳先生の作品です)でゆみこちゃんにハマった。
花組はおさちゃんの時代。90周年の公演のあと、あさこちゃんが月組に去り、ゆみこちゃん2番手!と期待するも星からまとぶさんが組み替えしてきて、らんとむくんは宙組に異動になって、という混沌状態。
おさちゃんの相手役があやねちゃんに替わった「ファントム」ではゆみこちゃんはキャリエールで、お父さん役か〜とちょっと残念に思ったけど、これがまたいい出来で、おさゆみの歌声は最高!と思っていたら、公演中に雪組への組替えが発表になって、なぜこのタイミング!?と。
でも行った先の雪組では水くんといい相性で、正塚先生の「マリポーサの花」なんて、がっつり男の友情もので、水ゆみ最高!な作品だった。その後の「ZORRO」の役はちょっとひどかったけどね。
学年的には水くんの次はゆみこちゃんだと思っていたけど、おさちゃんの後にVISAガールに就任した音月さんとW2番手のような扱いで、羽根や衣装が同じでモヤモヤした。今でいう番手ぼかしというやつ。
「ロシアンブルー」も水ゆみはアメリカの上院議員とその秘書兼執事というバディーを組んでいてとても楽しそうだった。
「ソルフェリーノの夜明け」で退団発表。記者会見でゆみこちゃんは「自分はトップになりたかった」とはっきり言ったのを覚えている。宝塚が大好きで大好きで、もう少しでトップも手に届くところにいたんだもの、そう思うのは当然だと思う。
でも、次はVISA冠の「ロミジュリ」が決まっていたからね。(ありえない話だろうけど、ゆみこちゃんのロミオ観てみたかった。ティボルトでもよかった)もしかすると専科行きなどを示唆されたのかもしれない。
当時の噂では、水さんが一作譲ってもいいからゆみこちゃんをトップに!と言ってくれたという。でも実現しなかった。あの頃お披露目兼サヨナラ公演なんていうのもあった(おさちゃんの前のチャーリーさんとか)からそれもありだったと思う。
ゆみこちゃんは若い頃から特に歌に秀でていたから、歌で良い役もらっていて、退団時にはそれらを集めたベストアルバム(しかも2枚組)も出たくらいだった。
そんなことされたってファンの気持ちは収まらないわけで、それを機に宝塚や雪組から離れたって人も少なからずいたと思う。
私もそれ以降の雪組の記憶はあまりない。誘われて観てはいたけど魂が抜けていたのだろう。結局雪組をきちんと観るようになったのは望海さんになってからだ。
セリ美さんも書いていたけど、トップになったかどうかは退団後の扱いに大きな差が出る。
花・月100周年のイベントのポスターだって、トップさんが先にズラーっと出ていて、「学年的にはこの辺のはず…あ…」というちょっと残念な思いをした。宝塚だから学年順に出るような気がしてたけど甘かった。
https://www.umegei.com/greatest-moment/
ゆみこちゃんは退団後、その実力でコツコツと外の世界で信用と信頼と期待を勝ち取ってきた。次々に舞台に出演し、とうとう主役も勝ち得た。素晴らしいと思う。
それでも私が時々古いDVDを見返して、ゆみこちゃんがトップになっていたら〜と今でも空想してしまうというのは、仕方ないことなんだろうな。
近年の2番手退団を見聞きすると必ずゆみこちゃんを思い出した。もう10年経っていて、今では「さきちゃんに夢中w」でいるけれども、このチクチクとする思いは心に引っかかっていて、決して消えないのだろうなぁ。